高齢化社会に伴い、介護施設の数は全国的に増加傾向にある。それは、奈良県も然りだ。中でもサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、地域密着型のサービスと合わせて右肩上がりだが、有料老人ホームとの違いがわからない方もいるだろう。そこで、ここではサ高住について話してみたいと思う。
サ高住は、2011年に誕生した比較的新しい形態の高齢者施設だ。ここに入居できるのは、基本的に介護を必要としない、自立した60歳以上の高齢者で、要介護認定されている場合は軽度までに限定されている。職員が提供するサービスは、安否確認や服薬確認、生活相談などが中心だ。そのため、介護施設といっても、身体介助がない分、仕事は楽かもしれない。ただし、夜勤もあるので、共同住宅の管理人のような職務といった方がわかりやすいだろう。
一方、有料老人ホームに入居できるのは65歳以上で、自立もしくは要支援1から要介護5までの高齢者になる。施設の基準に準じるものの、幅広い状態の高齢者が入居していることになる。したがって、提供する介護サービスは多岐にわたる。主な介護サービスは、身体介助やリハビリの補助、レクリエーションの企画と運営などで、介護士もアクティブに動かなければならない。
ただし、有料老人ホームの仕事は、さまざまな業務を担う分、キャリアアップにつながりやすいという特徴がある。介護福祉士やケアマネージャーのような上位の資格を取得するときには、その経験は大きな財産になるだろう。